令和8年2月16日 子ども文教委員会 佐々木郷美 議案外質問 ~子どもたちの「ひとり1台端末」学習用ソフト、外国にルーツを持つ児童生徒向け多言語対応教材の開発について~
- satomisasakims
- 18 時間前
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1.子ども達の「ひとり1台端末」の学習用ソフトについて
⑴ タブレットの学習用ソフトについて
●質問(佐々木郷美)
さいたま市では「スマートスクールプロジェクト」を推進しており、小中学校で児童生徒が利用している1人1台端末については、現在使用しているタブレット端末を、令和7年度末をめどにiPadへ更新する予定となっている。現在まさに更新作業が進められているところでもある。
授業では様々な学習用ソフトが活用されているが、これらのソフトはどのような考え方や方針に基づいて整備されているのか。
●答弁(学校教育部長)
まず国の方針として、文書作成ソフトやプレゼンテーションソフトなど、社会で広く一般的に使われているソフトを「汎用的なクラウドツール」と位置付け、子どもたちの様々な学習活動に柔軟に活用できる環境を整備することが求められている。
本市においても、この方針を踏まえ、今回の端末更新にあたり、
・端末の反応速度や堅牢性などの使いやすさ
・クラウドツールの分かりやすさや操作性
といった点を重視して整備を進めた。
その結果、端末はこれまでのWindows端末からiPadへ、また学習用ソフトについてもTeamsからGoogle Workspaceへ変更したところである。
こうした環境整備により、子どもたちが端末を自在に活用しながら、クラウド上で共有された他者の考えを参考に自分の考えを深めたり、共同編集の過程で新しい考えを生み出したりするなど、学びをさらに豊かにしていくことを期待している。
⑵ 現在の協働学習用ソフトの活用状況
●質問(佐々木郷美)
これまで小学校を中心に、協働学習用ソフトである「ミライシード」が授業の中で広く活用されてきたと認識している。
児童同士が意見を共有したり、考えを整理したりする場面で中心的に使われてきたツールであるが、実際の授業ではどのような場面で、どのように活用されてきたのか。
●答弁(学校教育部長)
現在、小学校を中心に活用されている協働学習用ソフト「ミライシード」には、主に「共有」「集計整理」「共同編集」の3つの機能があり、これらを活用しながら子どもたちの深い学びにつなげている。
まず「共有」機能では、子どもたちが考えを交流する場面で、各自の意見をクラウド上で共有することができる。学級の一人一人の考えが一覧で表示され、それぞれが興味関心や学習のペースに応じて参照することが可能となっている。こうした環境の中で、子どもたちは多様な考えを比較しながら、自分の思考を深めていくことが期待されている。
次に「集計整理」機能では、予想を立てたり、考えを出し合ったりする場面で、入力された文章を自動的に整理・分類することができる。例えば、似た言葉を自動でまとめたり、多く使われている言葉を大きく表示したりすることで、どのような考えが多いのか、特徴的な意見は何かといったことを一目で把握することができ、考えの整理に役立てられている。
さらに「共同編集」機能では、調べたことや考えたことをまとめる場面で活用されている。各自の端末に同一の画面が表示され、児童一人一人が内容を確認しながら同時に編集を進めることができる。
この機能により資料作成を効率よく進めることができ、短時間で内容の充実した資料を完成させることが可能となる。その結果、発表後の質疑応答など、学びを深める時間を十分に確保できるといった効果も見られている。
●コメント(佐々木郷美)
ミライシードは協働学習のために開発された教育向けソフトであり、学校現場で子どもたちの学びを深めるために効果的に活用されていることが分かった。
私自身、先日大東小学校を訪問し、「リーディングプロジェクト」の授業を視察する機会があった。1年生と6年生の授業を拝見したが、6年生では子どもたちが主体的に毎回の授業を振り返り、自ら課題を設定しながら学習に取り組んでいた。
また1年生の授業では、ノートに鉛筆で書く作業を大切にしながら、その成果物を写真で撮って送信し、画面に映してクラス全体で共有するという形で活用されていた。子どもたちは互いの成果物を見せ合いながら発表し合い、コメントを交わすなど、非常に活気ある授業づくりにICTが貢献している様子を拝見し、大変感銘を受けた。
教育長が教育施政方針の中で述べているように、オンラインを活用しながらリアルな学びを活性化するという「個別最適な学び」と「協働的な学び」の実現に向けて、先生方がICTを上手に使い分けながら授業づくりを進めていると感じたところである。
⑶ 今後の協働学習用ソフトについて
●質問(佐々木郷美)
次に、今後の協働学習用ソフトについて伺う。
特に低学年の児童にとっては、視覚的に分かりやすく、直感的に操作できるなど、子どもたちが自然に使いこなせることが非常に重要であると感じている。
先ほど答弁の中でも、現在の協働学習用ソフトには「共有」「集計整理」「共同編集」といった機能があり、これらを活用して子どもたちの学びが深められているとの説明があった。
今後、協働学習用ソフトが変更されることがあった場合でも、こうした機能を通じて実現されている子どもたちの協働的な学びがしっかり担保されるのか。
また、そのことによって現場の先生方の負担が増えることはないのかについて伺う。
●答弁(学校教育部長)
今後の協働学習用ソフトについて。
まず、子どもたちの協働的な学びについては、今回導入されるGoogle Workspaceにも、現在小学校を中心に活用されているミライシードと同様に、「共有」「集計整理」「共同編集」などの機能が備わっている。そのため、引き続き協働学習を充実させていくことができると認識している。
また、低学年の児童への影響についてであるが、Google Workspaceの導入にあたり、小学校で事前検証を実施した。その結果、低学年の子どもたちも新しい端末に比較的早く慣れ、協働的に学ぶ姿が確認されているとのことであり、この点については安心しているとのことであった。
次に、教員の負担についてである。
これまでミライシードで作成してきた教材をGoogle Workspaceで活用する場合には、データの移行作業が必要となる。しかし、その際には十分な移行期間を設けるとともに、ICT支援員のサポートも受けながら対応することで、教員の負担が過度に大きくならないよう配慮していく。
●コメント(佐々木郷美)
今回の答弁により、協働学習用ソフトが変更された場合でも、これまで培われてきた子どもたちの学びが引き続き担保されること、また教員の負担についても十分に配慮しながら進められることを確認することができた。
現在学校現場で活用されているツールは、子どもたちの主体的・協働的な学びを支えるものとして大変好評であると聞いている。
今回の端末更新やソフト変更にあたっても、これまでの実践の良さが損なわれることのないよう、引き続き子どもたちの学びを支える環境づくりに取り組んでいただくことを要望した。
2.外国にルーツを持つ児童生徒向けの多言語対応教材の開発について
⑴ 外国にルーツを持つ児童生徒の母国語の把握
●質問(佐々木郷美)
次に、外国にルーツを持つ児童生徒向けの多言語対応教材の開発について伺う。
グローバル化の進展に伴い、さいたま市内の小中学校においても、外国にルーツを持つ児童生徒の人数は年々増加しており、その母国語も多様化し、多国籍化・多民族化が進んでいると感じている。
そのような児童生徒の中には、日本語で行われる授業や学校生活についていくことに困難を感じている子どもたちもおり、学校現場の課題として耳にする機会も増えている。
そこでまず、日本語指導が必要な児童生徒の状況について伺う。
直近3年間の人数の推移と、これらの児童生徒の母国語数はどの程度あるのか。また、母国語として多い言語の上位5つは何か。さらに、その他代表的な母国語や出身国についても示していただきたい。
●答弁(学校教育部長)
外国にルーツを持つ児童生徒の母国語の状況について。
まず、日本語指導員が指導している児童生徒数について、直近3年間の人数は次のとおりである。
令和5年度 265名
令和6年度 298名
令和7年度 288名(1月31日時点)
次に、児童生徒の母国語数については、
令和5年度 22言語
令和6年度 22言語
令和7年度 27言語(1月31日時点)
となっている。令和7年度における母国語の上位5言語は、
中国語
ネパール語
英語
ベトナム語
日本語
である。
また、このほかにも、タガログ語、ヒンディー語、アラビア語、トルコ語、ミャンマー語、ウルドゥー語、ベンガル語、シンハラ語など、多岐にわたる言語を母語とする児童生徒が在籍している。
⑵ 外国にルーツを持つ児童生徒への学習やコミュニケーションの支援の現状
●質問(佐々木郷美)
日本語指導が必要な児童生徒に対して、現在どのような支援が行われているのかを伺う。
授業内容を理解し、学習についていけるようにするための学習支援はもちろんのこと、学校生活の中で周囲の児童生徒と円滑にコミュニケーションが取れるようにするための支援も重要であると考える。
こうした児童生徒に対して、現在学校現場ではどのような日本語指導や支援が行われているのかを示していただきたい。
●答弁(学校教育部長)
外国にルーツを持つ児童生徒への学習支援およびコミュニケーション支援の現状についてである。
まず、日本語指導員による指導は、児童生徒1人あたり原則1年間を指導期間とし、1日2時間、週2日程度行われている。
指導の形態は大きく2つある。
一つ目は、在籍学級とは別の教室で行う個別指導である。
この個別指導では、主に「生活に関わる内容」と「学習に関わる内容」の2つの側面から支援を行っている。
生活に関わる内容では、学校生活や日常生活の中で円滑にコミュニケーションが取れるよう、あいさつなどの基本的な表現や、体調不良や困り事を伝える言葉などを指導している。
また、授業で使用する持ち物、例えば縄跳びや定規など、学校生活に必要な語彙についても学習している。
一方、学習に関わる内容では、例えば算数の「掛ける」「割る」といった教科特有の語彙や表現を指導したり、学習課題に一緒に取り組むなど、授業理解につながる支援を行っている。
二つ目は、教科の学習を支援する指導である。
日本語指導員が児童生徒の在籍する学級の授業に参加し、児童生徒の机の横に座って支援を行う。教師の指示の補足や、教科書の内容理解をサポートするなど、授業内容が理解できるよう個々の状況に応じた支援を行っている。
●質問(佐々木郷美)
日本語指導の期間について伺う。
現在、日本語指導員による指導は原則1年間を目安として行われていると聞いているが、実際に1年間の指導で、授業や学校生活に十分に対応できるレベルまで日本語を習得できるのかという点について疑問も感じている。
また、日本語指導は1年の期間終了後も、必要に応じて延長することができると聞いている。そこで、どの程度の児童生徒が指導期間の延長を希望し、実際にどれくらいの児童生徒が延長指導を受けているのかを伺う。
あわせて、延長された場合の指導期間と令和7年度の実績についても示していただきたい。
●答弁(学校教育部長)
日本語指導の期間については、児童生徒が日常生活を送る上で必要な日本語を身につけるまでの期間については、これまでの経験や文部科学省の資料などを踏まえると、おおよそ6か月から1年程度が一つの目安とされている。
しかし、日本語の習得には個人差があることから、1年間の指導終了時点で日本語力が十分に身についていない場合には、3か月の指導延長を行っている。
令和7年度の状況については、1月末時点で1年間の日本語指導が終了する児童生徒が101名おり、そのうち延長を希望した児童生徒に対してアセスメントを実施した結果、50名について3か月の指導延長を決定した。
今後も、こうした児童生徒に対して適切な日本語指導を継続していく。
●質問(佐々木郷美)
日本語指導については、先ほどの答弁からも、1年間の指導では十分な言語習得に至らない児童生徒が一定数いる状況であると感じる。
特に、両親とも外国籍で家庭内のコミュニケーションが日本語以外で行われている場合など、学校での日本語指導だけでは十分でないケースもあるのではないかと考える。
こうした児童生徒や保護者とのコミュニケーションを円滑に行うために、学校現場ではどのような対応が取られているのかを伺う。
例えば、パソコンの翻訳ソフトや小型の翻訳機などを活用しているのか。また、学校から配布されるお便りなどについて、多言語での対応はどの程度行われているのか。すべての言語への翻訳は難しい面もあると思うが、少なくとも英語への翻訳など、保護者への配慮はどの程度なされているのかについて示していただきたい。
●答弁(学校教育部長)
日本語でのコミュニケーションが難しい保護者への対応について。
学校では、AI翻訳機や翻訳アプリなどを活用し、連絡事項を直接伝えたり、翻訳した手紙を配付したりするなど、各学校の実情に応じて対応している。
令和7年度の状況については、現在のところ、翻訳機や翻訳アプリなどを活用した対応を行っている学校がおよそ119校となっている。また、翻訳した手紙の配付など文書での対応を行っている学校は約25校となっている。
このように、学校ごとに工夫しながら保護者とのコミュニケーション支援を行っている。
⑶ 母国語で学べる多言語対応した教材の開発などについて
●質問(佐々木郷美)
次に、多言語対応教材の整備について伺う。
東京都教育委員会では、日本語指導が必要な児童生徒に対して、日本語指導の充実と学校生活への適応を支援することを目的に、1人1台端末上で母国語で学習できるデジタルブック「たのしいがっこう」を整備しており、現在24言語に対応している。


※出典『東京都教育委員会作成 外国人児童(がいこくじんじどう)・生徒用日本語指導(せいとようにほんごしどう)テキスト「たのしいがっこう」 ウルデドジゥー語』より
例えば、教材では消しゴム、のり、物差し、色鉛筆などの学校で使用する物の名前について、イラストとともに日本語と母国語が併記され、さらにローマ字や片仮名で振り仮名も付けられている。教職員や周りの児童生徒が絵を指しながら発音することで、子どもたちの言語でコミュニケーションが取れる工夫がなされている。
また、時間割や学校生活の場面を示す教材もあり、学校生活に必要な語彙や表現を視覚的に理解できるようになっている。
さらに、文部科学省でも「はじめまして!今日からともだち」「おしえて!日本の小学校」といったアニメーション教材を作成しており、日本語を含め15か国語の音声で視聴することができる。動画の中では、学校行事や学校生活のルール、毎日の持ち物、学年区分や学期の仕組み、音楽室や理科室といった教室の名称などが、絵カードや音声を用いて分かりやすく紹介されている。
さいたま市にも、さわやかタイムやSolaるーむなど独自の時間割や学校生活の特徴がある。こうした実情も踏まえ、学校生活を理解しやすくするための教材として、カードやテキストなどの形で、まずは使用頻度の高い言語からでもよいのでさいたま市版の多言語教材を整備してはどうかと提案するが、見解を伺う。
※出典『文科省作成 「おしえて!日本の小学校」絵カード』より
●答弁(学校教育部長)
母国語で学べる多言語対応教材について。まず本市では、日本語指導において「はじめくんとまりちゃんのにほんごきょうしつ」という独自教材を活用している。
この教材は、日本語とイラストを中心に構成されており、日常語彙の習得や円滑なコミュニケーション能力の育成を目的として、児童生徒の実態に応じて段階的に指導できるよう工夫されている。
教育委員会としては、日本語指導は日本語を用いて行うことを基本としているため、現在の教材は多言語表記を前提としたものではない。しかし、必要に応じて翻訳アプリなどを組み合わせて活用することで、母国語を通して学習内容の理解を図る取り組みも行っている。
今回の提案も踏まえ、外国にルーツを持つ児童生徒が多様な言語背景を持っていることに配慮しながら、子どもたちが安心して学び、学校生活を送ることができるよう、多言語対応の教材も含め、国や他自治体の事例を収集しながら研究を進めていく。
●まとめ(佐々木郷美)
さいたま市では、ごみ分別アプリなどにおいて英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、ベトナム語の5か国語対応が行われているが、学校現場にいる外国にルーツを持つ子どもたちの母語は、必ずしもそれらと一致するわけではなく、より多様であり、時期によっても変化していくものだと感じている。
外国にルーツを持つ子どもたちが、日本語を学びながら周囲の児童生徒と円滑に関係を築き、日本の学校生活になじめるよう支援していくことは非常に重要である。また、外国籍の保護者にとっても、日本の教育制度は分かりにくい部分が多く、慣れない土地での子育てに不安を抱えることも少なくない。
こうした状況を踏まえ、外国にルーツを持つ子どもたちやその保護者を支える取り組みは、多文化共生の観点からも重要な施策であると考える。
今後、対象となる児童生徒が増え、言語背景もさらに多様化していくことが見込まれる今だからこそ、引き続き前向きに取り組んでいただくことを要望する。







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